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「やっぱり推理小説みたく上手くいかねぇか」
深琴は自転車を転がしながら、空を見上げた。
「そうよ。そういうものよ」
那託の尾が嬉しそうに大きく振れる。
ん?
深琴と共に空を見上げた湊は、気付く。電線に一羽の烏。さっきのと同じかまでは分からない。たまたまか、と視線を戻した。
「気をつけろ少年よ。狙われているぞ」
「?!ん??誰か今なにか言った?!」
突然の男の声に驚き、湊は声を張り上げてしまった。しかし、二人は普通に対応する。
「「何も言ってないけど」」
「な、なら良いんだ」
振り返り、先程の烏が居た方へ見上げたが、烏は既に居なくなっていた。
「深琴、今日は遅いから真っ直ぐ帰った方がいいぞ」
「打ち合わせすんじゃなかったのか?泊まる気満々で荷物持ってきたのに」
「っ・・・・」
言葉に出来なかった。
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