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授業が終わり、尾を前に向けた。
やっぱり、本物だ。毛もある。確かに生えている。
触ってもちょっとしか感触が感じられない。
でも意思で動く。
これはこれで面白い。
「おいーーー湊ー尻尾変えてくれよーーー」
ナイルワニの尾を生やした友人。クラスメイト。坂井深琴(サカイミコト)。女っぽい名前だが気にするな。俺と身長は変わりない。体型も。
鰐の尾が生えたことで身体が重いらしい。ズルズルとそんな大きなものを引きずって歩いていたら、辛かろう。
「おい。俺関係ねぇって顔してんじゃねーよ」
向かいの席に背もたれを前にして、椅子に腰掛けた。
ふと、横を通ったサラブレッドの尾を生やした女子生徒が尾を踏んだ。
「いっでぇ!!」
「あ、ごめん」
そう言って、去って行く。
「不便だよーーーわーーーーーーん」
「知るか」
「おい!第一声がそれかよ!!」
そういえば、そうだな。
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