第1章 People having a tail

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 他にもある。  燕の尾を持った人が春が終わる頃、ふと、海へとやってきたという。  しかも立った場所は、崖の上。  風が強く吹き付けた瞬間、彼の姿は消え去っていた。  三毛猫の尾を生やしたご老人がいた。  身体も弱まり、病院で寝たきりだった。  そんなある日、動けない筈のご老人が病院から姿を消した。  数日間の捜索。  発見されたのは、病院から数キロ離れた雑木林の中だった。  眠るように亡くなっていたそうだ。  その表情は、安らかだったという。  それから、蛇の尾を持った人は、冬になると、毎日凄い睡魔に襲われた。  病院に行っても原因が分からず、睡魔と闘う毎日だという。  今もそれは続いているという。  馬の尾を持った人は、無意識だったという。  真後ろに並んだ人を足で蹴ってしまった。  他にもいろいろ挙げられていた。
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