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床の上で胡座をかく守弥に、咲良はペコリと頭を下げた。
「あの、……もりや様、お願いいたします」
「お願いと言われてもな……」
巫女姿にツインテールの銀髪。
同じ銀の長い睫毛で縁取られた緋色の瞳。
今まで見たことのない色彩に彩られた、少女にしか見えない咲良に守弥はたじろぐ。
「お嫌なのはわたくしも分かっております。
でも、男子だと確定しなくては話が進みませぬゆえ……。
失礼いたしまする」
「は……?」
小さい手が、守弥の手を掴んだ。
「お許しを」
ぺた。
「……………………………………」
守弥は固まった。
ある。
確かにある。
小さいが、緋袴の中に存在する男子の証が。
「………………………………ある……」
「えっ!?
ホント?ホントに男子!?
うわ、ホントに男子なんだ!!うわ!!
ちょっと、さくら、本当に男子な訳!?
うわー、触らせて、俺も確かめてみる!」
「え………………、あ、あの……」
微かに感触が残る手を見つめ、守弥は呆然となり。
咲良は時雨にあらぬ場所を触られないように、ばあ様の後ろに隠れた。
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