【三】卑劣な恋

2/23
7628人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
―銀座店― 「これは社長。どうなさいましたか?」 西川店長は突然訪問した俺に慌てている。 社員は全員外回りに出掛け、店頭には凛子だけ。凛子は俺を見ると微笑んだ。 「西川店長お話が」 「私ですか?はい。小桜さん社長にお茶を」 「はい」 「お茶は不要だ」 「はい」 凛子は怪訝そうな顔で俺を見つめた。 店長に案内され、フラワーアレンジ教室に入る。 「すみません、あいにく応接室や会議室がないので、こちらで宜しいでしょうか」 「構わない」 「椿が昼間何か不始末を?それとも木葉の準社員の件でこられたのですか?」 「この銀座店はわが社でトップの営業成績を誇る店だ」 「はい。社員アルバイト一丸となって頑張る所存です」
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!