幸せ

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生きてきたしあわせを 充分に感じています 早送りのようにぎゅっと 1度に人生のいろんな要素を 詰め込んだような人生だったけど 私は 幸せでしたよ ねぇ きみ 私の今までは こうです 人とうまくいきませんでした 友達とも先輩とも後輩とも先生とも 皆みんなうまくいきませんでした 大人の前では萎縮してしまいます 子供ほど純粋ではないのです だからといって 同世代の誰かとは自分は違いすぎていて ぽつり やっぱり私は今日もひとりです ずっともっときっとひとりでした そんな私ですが 人並みに人以上に人よりも多く 喧嘩したり絶望したり裏切られたり 泣いたりしたのですよ 雨の日に傘もささずに ワンピースのまま飛び出していって 沢山の砲撃に撃たれながらも その銃口を見つめていたのです 絶望の中にあっても この現実の中にきっと私は 感情をもって存在していました 誰かだけど 誰でもない そんな私ですが きちんと生きました 人並みに人以上に人よりも多く 人を恨み人を愛し人を欲して生きました そんな私が生きたのです だから きみが逃げることは許さない こんな私ですら 感じることの出来るしあわせに きみが目を閉ざすことを 私は決して許さないのです
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