終章

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ここで終わるのは ふたりの物語 どこにも居て どこにも居なかった そんな私ときみの物語 君はいない 彼もいない 彼女もいない 貴方もいない わたしなんてもっといない そんな世界 そんなふたりだけの世界を終わらせた 浅い夜がまたやってくる 眠れない 静寂だけが存在する夜が 私はベッドを抜け出して 本当に大切なきみに会いに行こう 屋上にはいないきみ 地面にだっていないきみ 玄関のベルを深夜に何度も鳴らしながら "ごめんね 起こしちゃったね" なんて笑いながら 私はきみに会いに行くんだ fin.
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