シンクノヨゴレ

4/4
前へ
/167ページ
次へ
そのノートが汚れるのに時間はかからなかった。 沢山の黒と赤がひしめいた。 中にも、外にも。 "ほら、私が汚いからここに綺麗なモノなんてあってはいけないでしょ"ーーそう思って、そっとノートを閉じた。 あってはならない所のモノは、所詮淘汰されるのだ。 皆一生懸命になってそれを潰そうとする。ただ、それだけ。 何も驚く事は無い、自然の摂理なのだから。 ...気がつくと私自身もノートを汚していた。丸い円が重なって、べこべこになってしまった。 ほら。やっぱり。汚さずにはいられないんだ。 Fin.
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加