ジャンクフード

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大きな国から入ってきたそのジャンクフードに舌づつみを打ちながら、私は独りでいる。 豚の脂の味がするその根っこを、まるで高級食材かのように食べるの。 健康になるために、不健康な環境で育てられた鶏を食べるの。 雑草は食べちゃいけないけど、限りなく雑草に近いこの葉っぱは食べれるの。 「マジー?自分から轢かれに行ったのー??ホント意味わかんないよね!!」 すぐ近くに居る他人の声が右耳に入って、だからといってどうなるわけでもなく左耳から抜けていった。 彼女達は私とは関係がないのだ。 他人。他人。無関心。 喜びも苦しみも飽和して、感じ取れなくなってしまえ。 左手でつまんだポテトの熱が口の中に広がる。 どこに行っても同じな個性の無い味なのに、皆が病みつきになっているこの味が私は...好き。 どうして私はまだ生きているんだろう。 Fin.
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