第1章

2/4
前へ
/4ページ
次へ
『いやー、わりぃわりぃ。次のヤマの下見してたらよ、随分と時間掛かったみてーでよ、お前さんからの連絡もねぇからちょっくら電話してみた訳。あと30分でそっちに行けっから、待ち合わせの場所に居てくれてたら嬉しかったりしちゃう、なん――』  ――ピッ。  無造作に留守電を切る。 電話が掛かってきたのは知っているのだが、敢えて無視をした。 そうすると留守電を入れられたので、留守電が終ってから再生する。  第一声からおちゃらけた声に溜息が出そうになるも、何とか堪え、暫く留守電を聞いていたのだが、あとどれ位あるのかすら分からず、同時に苛々したので留守電を切った。  ただそれだけの動きだったのにも関わらず、周りにいた恋人同士や、子供などは恐怖を覚えたのだろう、肩を震わせたりとしていた。 「……待ってやるって訳じゃねぇよ」  待ち合わせの人が居ない、公園で雪を積もらせながら小さく呟いた。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加