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席から立ち上がり、コンビニ袋に空になった袋と、紙パックを入れてゴミ箱にコンビニ袋を捨てる。
「俺の記憶が正しいかなんて俺だって分からないから、確認した」
机から飛び降りて、鞄を持って私の目の前に立つ。
と言っても教卓から私の席までの距離はあるけれど。
「で、一緒に帰っても良い?」
再度同じ質問をされて、両手にポケットに入れて「名前、教えてくれたら……」と俯いた。
今度はワザとではなく、どうしようもなく恥ずかしさを覚えたから。
「西東(さいとう)ちあき。そっちは?」
「仲田ちとせ」
互いに自己紹介をして暫く沈黙が続くも、ちあきが口を開いた。
「帰ろうか」
私は頷いて、席に戻って鞄を持ち、真っ赤な教室を後にした。
ちなみに私が人の名前を「さん」も「君」も「先生」も付けていないのは、特に理由はないが敢えて理由を付けるとするなら慣れないから。
『5月上旬。
今日一番嬉しいと感じたのは、図々しいかも知れないが、ちあきが私を庇った事でもなく、単純に一緒に帰って良いかと聞いてくれた事です。』
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