第1章

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 私は昼休みに食べなかった昼食を食べる為に普通棟の方に足を向ける。 片手にコンビニ袋を持ち、もう片手をブレザーのポケットに入れて、肩にスクバを掛け普通棟の階段まで歩いている。  特別棟と普通棟の間には道があり、その左右には桜の木やその他諸々の木がある。 簡単に言えば平原に道を作って校舎を作った、と言った方が早いかもしれない。  あの机はすぐに回収されて他の机と交換された。  私が通っている学校は至ってバカ校である。 偏差値は37だった。  当然と言えば当然なのだけれど、結構荒れている。 校舎も名門私立校と比べるとボロボロだと思う。  それでも進路の関係でこの学校に来たので、文句を言うわけではないし、入学できただけでも有り難いと言って良いと思う。  特別棟に図書室があり、その図書室に借りていた本を返す為に行き、帰り道に鞄からコンビニ袋を取り出して歩いていると言うことになる。  昼休みに食べれば良いだろうと言われればそれまでなのだが、何かを食べる時ぐらいはゆったりとした気分で食べていたいので、放課後、誰も居ない教室で食べる事にしている。  家に帰ってからでも良いのだけれど、帰る道中西城や名取に出くわすのが嫌なので、極力放課後学校で食べるようにしている。  普通棟に着き、自分のクラスの前に着いてドアを開ける。 特に変化は無く机も交換してから落書きされる事は無くドアを閉めて、自分の席に着く。  赤く染まった光が教室の三分の一を占めていて、時々桜の花びらが風で舞っているのを見つめながら足をクロスさせる。  鞄を下ろしてイスに座り、コンビニ袋からガサガサと音を立てながら、メロンパンと抹茶オレを取り出した所でドアに人影が映った。  確か西城や名取は早退をさせられていたはず、と思いつつもベリッ、とメロンパンの封を開けて紙パックの封を開け、透明のストローを差していた。  ガラッ、と音がすると「あっ……」と言う声が聞こえた。 「忘れ物でもした?」  姿は見えないけどメロンパンを咥えながら尋ねた。 前を見ていれば姿は見えないな、と誰にでもなく呟きメロンパンを飲み込み抹茶オレを飲む。  右側からドアが閉められるのを聞きながら、遅めの昼食を口に運ぶ。 「お手洗い行ってた」
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