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この大人2人は本当に大丈夫なのだろかと恋也は不安になっていた。
どうせ決着もつかないのは分かりきっていたので、1週間目の今日、恋也はリビングでルパン、不二子に向けて言葉を放つ。
「自分のやり方で、俺を惚れさせてみろ。俺が惚れた方に俺は組む」
それだけ言ってリビングから出て行き自室に戻った。
埒が明かない、そう思ったのでそう判断したのだが、あまりよろしくない予感が恋也を襲いそれは確信に変わるのだが。
―丹神橋高校1年A組―
「担任の先生体調不良だって、大丈夫かな」
「え……。命に関わる病気とかじゃなければ良いけど」
「あの先生ウイルスまで栄養素にするからな、まぁ、大丈夫だろ」
「そうだと良いだけど……、やっぱり心配」
「だよなぁ。急だから余計気になるよな」
クラス中が担任は大丈夫なのか、命の関わるのかという話題で持ちきりだった。
朝登校してきた生徒はホワイトボードに映し出された文字を見た途端、顔色を変えて心配をし始めた。
此処丹神橋高校は私立の名門高校として有名である。
中学で学内1位の人が入れるか、入れないか、というぐらいの難しさだ。
定員が足りない時もあれば、定員オーバーの時もある。
名門高校なので設備は整っている。
外壁は白を基調とし、H型の校舎は特別棟と普通棟で分けられており、真ん中が渡り廊下になっている。
廊下にもクーラー、エアコンが行き渡り、食堂は普通なら180円するものを無料で食べることができ、個人の注文にも答えてくれる。
廊下内にエレベーターが設置されており、生徒も自由に使えて更衣室などにも、クーラー、エアコンがある。
しかも授業が始まる前に自動で室内の寒暖を調節をしてくれるのだ。
「……恋也、代わりでくる先生ってもう見たのか?」
友人が恋也に声をかける。
恋也も変わりに来る教師の事を知らないのか、首を振った。
「俺は見てない、HRには来るだろ」
「そうだな」
丁度チャイムが鳴り、恋也の席まで来ていた友人は自分の席に戻っていった。
そして、ドアが開かれ、1人の青年が中に入ってくる。
見た目は黒髪で背は170後半、体型も細く、水色のワイシャツのボタンを2つ開け、黄色のネクタイを緩めに締め、赤のカーディガンに、黒のスラックスを身に纏っていた。
――ま、まさかな……。
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