エイプリルフール

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 何も無い日、そう言ってしまえばそうなのだろうが、そうでもないと言えばそうでもない。 4月1日、エイプリルフールと呼ばれるその日は「嘘を吐いても良い日」だとされている。 そんな事に興味がない人はただの1日だろう。  **  紅色の高級感あふれるソファーに、窓付近に置かれたビリヤード。 先ほどまで誰かが使っていたのか、使用済みのような状態になっている。  ソファーの前には小さなけれど多少物は置く事の出来る大きさの、木製のテーブルがある。 ソファーは1つで、近くにこれまた木製のイスがポツンと置かれ、虚無感をその部屋は放っているのだ。  そんな部屋で1人の男、ルパン三世がソファに身を委ねながら新聞を読んでいた時の頃。  ガチャリ、とリビングと呼べるその部屋のドアが開くと、髭面の男、次元大介が姿を現す。 いつもクールなガンマンと呼ばれる次元の顔は、何かを考えながら、けれどどこか決意したような様子でソファに近付いていく。  そして、――ルパン。と小さく声をかける。 「次元どうした?」  名を呼ばれ顔を上げると次元の姿があり、首を傾げながらもテーブルに新聞を畳んで置き、上半身を起こす。  次元はその間にもルパンの様子をじっと見つめては、小さく息を吐き、顔を上げて「好きだ」と告げた。 「……は?」
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