背中

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――早い早い早い!! 叫んでしまいたい。 漏れる、早い、そう言ってしまいたいのに、良太は叫んだら漏らすのを分かったのか、唇をかみ締めながら耐えるしかない。 「もっと、ゆっくり……」 かろうじて言えた言葉も兄の言葉で儚く散ってしまう。 「これ以上ゆっくり歩いたら、完全に漏らすぞ」 ひっ、喉から悲鳴にならない悲鳴が放たれた。 漏らしたくない、ただそれだけが良太を襲った。 1人で間に合わずに漏らしてしまうことも多々あるのだが、兄の目の前(といっても背中だが)で漏らすのはどうしても避けたい。 絶対に漏らしたくないそう思っているのに、ジュワワワと少し大量に尿が溢れる。 ぎゅぅうっと兄に抱きついて、股間を背中で押さえては、兄の服に染みが出来る。 兄は気にすることもないのか、呆れたような表情で、一歩歩いた。 ただ、普通に、言われた通りにゆっくり一歩を歩いた。 ――その瞬間。 シャァァァァァ、どこか近くで排尿の音が聞こえた。 次第に兄の背中はどんどん濡れていき、アンモニアの臭いがきつくなって、地面に水溜りが出来ている。 もしや何ていわなくても分かるぐらい、良太はお漏らしをしてしまった。 「ゃ、と、とまんない!!」 ぎゅう、ぎゅう、兄の背中に股間を当てて、押さえようとする。 それでも一度出てしまった尿は止まることなくシャァァァと音を立てながら、地面に落ちていく。 「……お前、それ俺を汚してるからな」 怒気は一切含まれていないが、呆れながら兄が呟くと、良太はぴたりと股間を兄の背中に当てるのを止めた。 シャァァ。 長い間、良太の我慢した尿は出続け、子供の失敗とは言えないほどの大きさまで広がった、水溜りを良太は見てしまい、恥ずかしさと罪悪感で、泣いてしまった。 その後、濡れたまま家へと戻り、脱衣所で服を脱いでいると、濡れたままだったのでもう一度催して、その場で漏らしたのはまた別の話だったりする。
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