バスケ・脚本

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彩「わぁ、おっとと」    彩は、よろけながら体制を整える。 紗江子「あ、そうだ。私この後教授の所に行かなきゃいけなかったんだ!またね彩、それと、彼氏によろしくね?」    紗江子はにやにやとしながら、彩に手を振る。 彩「も、もう。なんなんだー!!」    手を付きだし紗江子に向かって笑って怒る。 紗江子「あはは?」    遠ざかって行く紗江子を見届け、彩は歩き出す。 彩の顔をアップ。 N彩「そう、私は、隼人の……彼女さんなのです!」     教室 教授「――それでは今日はここまで、来週までに課題をやっておくように」    教室がざわつき、鞄に教科書をしまう彩。 夕方、喫煙所前の道    鼻歌まじりに歩く彩。    何者かが彩の背後から走ってくる(一人称)&画面の周りをボヤケさせ全体の色彩を薄く演出。    彩は、それに気が付き、後ろを振り向く。 彩「え……」    ――ドン。(打撃音)    F・O 夜の体育館 彩「う……うぅ……うん?」    彩はゆっくりと目を開く。(一人称)    ぼやけた視界がはっきりとしていく。(一人称) 彩「ここは……」    近くに置かれたボール置きに4つのバスケットボール。    ゴール。 モニター。    上からコート全体を映す。コート内の8割を囲むカラーコーンとKEEPOUTライン。    彩の首元。赤く点滅する首輪。 彩「なに、なに、なんなの!?」    彩は首輪を外そうとする。    近くのモニターの電源が入り何かが映る。    モニターには、ウサギの被り物で顔を隠した男が映っている。 ウサギ「無暗にそれに触らない方がいい。中野彩」    彩はモニターの方を向く。 彩「なんなのあなた!この首輪はなに!」    パニック状態の彩がウサギに怒鳴る。 ウサギ「五月蠅いな、ピーピー騒がないでくれ。これから説明するからさ」    はぁはぁと息をしながら、彩は黙る。 ウサギ「これから君に、あるゲームをしてもらう。これを見てくれ」    画面が切り替わり、目隠しをされ、口をテープで塞がれた隼人が、椅子に座らされ、縄で縛られてもがいている。首には彩と同じ首輪が付けられていた。 彩「隼人!!」    モニターに駆け寄り、モニターに手を付いて画面を見る彩。    画面が切り替わり、ウサギが映る。    彩は即座に画面から離れる。
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