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モニターが切り替わり、ウサギが映る。
ウサギ「やぁ、見てくれたかい?あまりに君が動かないから、退屈で手を出させてもらったよ、あれが本多隼人だ。どうだ、酷いだろ?君がいながら他の女といちゃいちゃ、いちゃいちゃ……どうだい?少しは投げる気になったんじゃないか?」
彩「あんなの……隼人じゃない」
唇を噛みしめ、顔を背ける。
ウサギ「嘘じゃないさ。そうだ、こんなのもあるよ」
ウサギは録音器を取り出すと、再生ボタンを押す。
隼人「え、あぁ。あの女?なんだっけ、中野(・・)だっけ?本当マジ迷惑(音声)」
彩「はや……と?」
翔梧「お前さっきなんか受け取ってたじゃん、あれどうしたの?(音声)」
隼人「ん?あぁ、あのパンケーキか。捨てたよ、運動するやつに甘いもんなんか渡してくんなっての」
彩「やめて……!!」
ウサギがピッと録音を止める。
ウサギ「どうだ?これでも投げないか?……投げろぉ!!殺せっ!!お前があいつに天罰を下せ!!」
彩「う……うぅ……(涙)」
グッと手を握りしめる彩。
ボールの方に走り出し、ボールを取る。
ウサギ「やる気になったようで嬉しいよ」
彩「うるさい!!消えて!!」
ウサギはやれやれといった仕草を取る。モニターの電源が落ちる。
M彩「隼人……もう分かんないよ……。私……あなたを信じたいのに……信じることが出来ない……」
彩はKEEPOUTライン擦れ擦れに立ち、シューティングポーズをとる。
ボールは綺麗な弧を描いて、ゴールを通過する。
回想体育館(高校)
ドリブルし、ゴールを決める隼人(制服)。
隼人「彩、バスケは好きか?」
彩「好きだよ。ねぇ投げ方教えてよ」
隼人に笑いかける彩(制服)。
体育館
彩は涙を零しながらボールを投げ続ける。
回想体育館(高校)
隼人「もっと膝を柔らかく、体全体でボールを押し上げる感じで」
彩「こ、こうかな?」
ボールを放ると、綺麗にゴールに入る。
隼人「そう!うまいな、彩!!」
彩「えへへ?」
体育館
彩の手からボールが零れ落ちる。
ボールは二、三度跳ねて、転がる。
膝をついて泣きじゃくる彩。
彩「無理!無理だよ!!私に隼人は殺せない!!」
モニターの電源が入る。
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