バスケ・脚本

5/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
   モニターが切り替わり、ウサギが映る。 ウサギ「やぁ、見てくれたかい?あまりに君が動かないから、退屈で手を出させてもらったよ、あれが本多隼人だ。どうだ、酷いだろ?君がいながら他の女といちゃいちゃ、いちゃいちゃ……どうだい?少しは投げる気になったんじゃないか?」 彩「あんなの……隼人じゃない」    唇を噛みしめ、顔を背ける。 ウサギ「嘘じゃないさ。そうだ、こんなのもあるよ」    ウサギは録音器を取り出すと、再生ボタンを押す。 隼人「え、あぁ。あの女?なんだっけ、中野(・・)だっけ?本当マジ迷惑(音声)」 彩「はや……と?」 翔梧「お前さっきなんか受け取ってたじゃん、あれどうしたの?(音声)」 隼人「ん?あぁ、あのパンケーキか。捨てたよ、運動するやつに甘いもんなんか渡してくんなっての」 彩「やめて……!!」    ウサギがピッと録音を止める。 ウサギ「どうだ?これでも投げないか?……投げろぉ!!殺せっ!!お前があいつに天罰を下せ!!」 彩「う……うぅ……(涙)」    グッと手を握りしめる彩。    ボールの方に走り出し、ボールを取る。 ウサギ「やる気になったようで嬉しいよ」 彩「うるさい!!消えて!!」  ウサギはやれやれといった仕草を取る。モニターの電源が落ちる。 M彩「隼人……もう分かんないよ……。私……あなたを信じたいのに……信じることが出来ない……」    彩はKEEPOUTライン擦れ擦れに立ち、シューティングポーズをとる。    ボールは綺麗な弧を描いて、ゴールを通過する。    回想体育館(高校)    ドリブルし、ゴールを決める隼人(制服)。 隼人「彩、バスケは好きか?」 彩「好きだよ。ねぇ投げ方教えてよ」    隼人に笑いかける彩(制服)。    体育館    彩は涙を零しながらボールを投げ続ける。 回想体育館(高校) 隼人「もっと膝を柔らかく、体全体でボールを押し上げる感じで」 彩「こ、こうかな?」    ボールを放ると、綺麗にゴールに入る。 隼人「そう!うまいな、彩!!」 彩「えへへ?」 体育館    彩の手からボールが零れ落ちる。    ボールは二、三度跳ねて、転がる。    膝をついて泣きじゃくる彩。 彩「無理!無理だよ!!私に隼人は殺せない!!」    モニターの電源が入る。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!