バスケ・脚本

6/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
ウサギ「やぁ荒れているね、中野彩。投げなくていいのかい?あの男が憎くないのかい?殺してやりたくはないのかい?」 彩「出来ない!!私はあの人を、隼人を愛しているから!!」    ボロボロと涙を落としながら、彩は叫ぶ。 ウサギ「……そうか。それは残念だ。でも一つだけ教えてあげる。君のその愛は……偽りだ」    ウサギは、彩を指さす。 彩「……いつ……わり?」 ウサギ「そうだ。だって君と隼人は……付き合ってなどいないのだから」    彩は手をぎゅっと握る。 彩「……そんなわけ」 ウサギ「事実だよ」 彩「……うるさい」 ウサギ「だって君は、ただの――ストーカーだ」 彩「……うるさい、うるさい!!」 ウサギ「ふふふ、時間はもうない。決断しろ。手遅れになる前にね」    ウサギはその言葉を残して消える。    彩は俯き、服の裾をぐっと握りしめる。   回想体育館(高校)    体育館で一人、ボールを投げ続ける隼人。それを遠くから見つめる彩。 N彩「あいつの言っていたことは……本当だ」 N彩「私と隼人は、付き合ってなどいない」    隼人にタオルを届ける女子。それを見て彩は目を逸らす。 回想高校の廊下(撮影の際は、K3を使って頑張る)    廊下で友達同士で談笑している生徒達。    その中を教科書を抱えて歩く彩。 N彩「隼人が私に何の感情も抱いていないことは、昔から知っていた」    教室の前で止まり、席で女友達と仲良さげに話をする隼人を見つめる彩。 N彩「だけど、諦めることが……出来なかった」       F・O   回想大学キャンパス    大学を映す。 N彩「私は、隼人を追いかけ、大学に入学した」       回想体育館    バスケの試合。 N彩「いつもと同じように、バスケ部に顔を出し、観客に混ざって試合を見る私」    試合が終わり、周りの観客と共に彩も体育館から出ようとする。    翔梧と隼人が話しながら歩く。    隼人が彩に気が付く。 隼人「すまん翔梧、ちょっと待ってて」    隼人が彩の元に走る。 N彩「だけどその日は、いつもと違っていた」 隼人「中野さん!!」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!