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ウサギ「やぁ荒れているね、中野彩。投げなくていいのかい?あの男が憎くないのかい?殺してやりたくはないのかい?」
彩「出来ない!!私はあの人を、隼人を愛しているから!!」
ボロボロと涙を落としながら、彩は叫ぶ。
ウサギ「……そうか。それは残念だ。でも一つだけ教えてあげる。君のその愛は……偽りだ」
ウサギは、彩を指さす。
彩「……いつ……わり?」
ウサギ「そうだ。だって君と隼人は……付き合ってなどいないのだから」
彩は手をぎゅっと握る。
彩「……そんなわけ」
ウサギ「事実だよ」
彩「……うるさい」
ウサギ「だって君は、ただの――ストーカーだ」
彩「……うるさい、うるさい!!」
ウサギ「ふふふ、時間はもうない。決断しろ。手遅れになる前にね」
ウサギはその言葉を残して消える。
彩は俯き、服の裾をぐっと握りしめる。
回想体育館(高校)
体育館で一人、ボールを投げ続ける隼人。それを遠くから見つめる彩。
N彩「あいつの言っていたことは……本当だ」
N彩「私と隼人は、付き合ってなどいない」
隼人にタオルを届ける女子。それを見て彩は目を逸らす。
回想高校の廊下(撮影の際は、K3を使って頑張る)
廊下で友達同士で談笑している生徒達。
その中を教科書を抱えて歩く彩。
N彩「隼人が私に何の感情も抱いていないことは、昔から知っていた」
教室の前で止まり、席で女友達と仲良さげに話をする隼人を見つめる彩。
N彩「だけど、諦めることが……出来なかった」
F・O
回想大学キャンパス
大学を映す。
N彩「私は、隼人を追いかけ、大学に入学した」
回想体育館
バスケの試合。
N彩「いつもと同じように、バスケ部に顔を出し、観客に混ざって試合を見る私」
試合が終わり、周りの観客と共に彩も体育館から出ようとする。
翔梧と隼人が話しながら歩く。
隼人が彩に気が付く。
隼人「すまん翔梧、ちょっと待ってて」
隼人が彩の元に走る。
N彩「だけどその日は、いつもと違っていた」
隼人「中野さん!!」
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