第1章

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      ほむらが正文の口元にスプーンで掬ったチャーハンを運ぶ。    正文「え、あ、あぁーん」       正文はぎこちなくチャーハンを食べ、目を逸らす。   正文M「おい、おい、なんだよ、なんなんだこの状況!どうして妄想の中だけの筈のほむらちゃんが普通に俺にあ?んしてくれてんだ!?はっそうか、夢か夢なのか……覚めんじゃねぇ夢!!」   ほむら「あ、まさくん」   ほむら「も?ほっぺにご飯粒ついてるよ?」       ――パクッ       ほむらが正文の頬に着いたご飯粒を食べる。       正文は顔を赤くし、頬に手を置く。    正文「夢じゃ……ない」   ほむら「へ?」       首を傾げるほむら。    正文「ほむらちゃん!」   ほむら「なんだいまさくん!」    正文「これからはいつも一緒だ!」   ほむら「うん!」       満面の笑みのほむら。 教室   ほむら「まさ君?眠っちゃだめだよ?」       正文の肩を激しく揺らすほむら。    正文「寝てない、寝てないよ、ほむらちゃん!揺らさないで?」       されるがままの正文    教授「何やってんだ、あいつら」       二人を呆れた面持で見る教授。 中庭(ベンチ)    正文「あそこ何が出来るんだろうね?」       先進科学技術研究所を指さす正文。   ほむら「ん?なんだろねー」       笑いながら話すほむら。    正文「やっぱ、ほむらちゃんといると楽しいな。それに、これからはいつも一緒にいられるんだよね。すげぇ嬉しいな……」   ほむら「私もだよ?まさく……へ」       遠くから、ほのかが歩いてくる。 ほむらは正文の背後にいる誰か(ほのか)を見て、言葉を詰まらせる。 ほむら「……そうだったんだ」       ほむらは表情を雲らせると、ちらっと腕時計を確認し、さらに顔を暗くする。   ほむら「ねぇ、まさくん」       ほむらは俯いたまま立ち上がる。    正文「ん?どうしたの、ほむらちゃ……ん、え、ちょっと!」       ほむらは正文の手を引いて走り出す。     体育館前       ほむらは無言で正文の手を引く。    正文「ちょ、ちょっと待ってよ、ほむらちゃん!!」       ほむらの手を振り払い、正文は止まる。   ほむら「――駄目なの」       ほむらは自身の手を強く握る。
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