第3話 アイドルの秘密 7

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「ふたりは、ボーイを誘っとった。関西で二年前から活動しとって、活動内容は、道場でのお祈り。勧誘は口コミだけやが、自分らは、特別や言うてたらしい」 ふんっと、鼻から煙を吐き、柳下は携帯灰皿にタバコを入れた。 「同じ施設におって、勝手に出ていってから、天王寺駅で拾われて世話になってるてな。未成年入信させるのもやが、ろくでもねえ団体や」 ちらりと隣を見ると、眉間のシワが、いつもより深かった。 「右の女が、昨日、府警に来たんや。遺体の顔見て、笑いやがった」 いつもより小さな声に、杉田は何も言えず、車を走らせた。 「何で笑うか聞いたら、『カミサマになったから』やと」
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