第3話 アイドルの秘密 7

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「ここに来られている方々は、悩みがあり、それを吐き出しているんです。ここを出れば、普通の方たちですよ」 杉田の隣に立った男が言った。 顔を向けると、口だけの笑顔を向けられる。 リリコとは違う意味で、怖さを感じた。 「四日前、あの子は、『イシュタム』になったんです」 そう言って、男は天井を指さす。 杉田が顔を上げると同時、ひとりが掴んでいたのを離した。 ぐるぐると上から伸びる紐が回り、赤い目が杉田を捕え、止まる。
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