第3話 アイドルの秘密 7

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「それは、とても喜ばしい事です。あの子は、全ての苦しみから解放されたのだから」 男の言葉が遠くに聞こえ、杉田の鼻に、匂いが蘇る。 一昨日見た姿と、靭公園近くの部屋での姿。 目の前に浮かび、耐えられなくなる。 「……『カミサマ』は、あんな、若い女がなるもんやねえ!!」 杉田が、両膝を床に着く寸前。 柳下の怒声とともに、隣に居た男が壁に吹っ飛ぶ。 「ここで、何しとるか。また、ゆっくり調べに来るわ」  そう残し、柳下は出ていく。 杉田は、すぐに、その場から動けなかった。
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