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杉田が口を開こうとした時、小さく聞こえた。
「まだ、何も分かってない。俺らのが、アホやけどな」
柳下が呼び鈴を鳴らし、警察や開けろと大きな声で言った。
中から扉が開き、ずかずかと入るのに、杉田も続く。
部屋は1LDKで、玄関からすぐにダイニング。
奥の引き戸から、女の子の顔が見えた。
扉を開けた茶髪の男に、柳下が懐から出した写真を見せる。
「貢いどったホスト以外で、この女と、仲良かった子おらんか」
男が、笑顔の写真に固まり、後ろから声が聞こえる。
「いないよ。だって、暗かったんやもん」
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