77人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
そう言って、柳下が杉田を促す。
リリコは頭を下げ、その場を後にした。
「なんや、エリートと、上手くいってないんか？ まあ、あんなんやからな」
珍しく笑顔の柳下が、杉田の顔を覗き込む。
遠くに見える、リリコの背中を見ながら、杉田が答えた。
「……柳下さん、エリートじゃなくて、梅林寺さんです。……それに、僕が悪いんです」
そう言ったと同時に、ばしんと大きく背中を叩かれる。
「あほか!! お前、先輩やろが!! しっかりせえ!!」
最初のコメントを投稿しよう！