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大学生に見える女の子が、柳下に近づいてきた。
化粧が濃く、まとうきつい香水の匂いが、杉田の鼻を刺す。
「最後に会った時も、変な事言ってたし」
「変なって、なんや」
柳下に顔を覗き込まれ、女の子は、後ろに居た杉田に近寄る。
「お兄さんが、今度、指名してくれるなら話すよ」
茶髪の男が名前を呼ぶが、女の子は杉田に笑顔を作った。
「京大、名刺もらっとけ」
言われた通り、女の子からピンクの名刺を受け取る。
「やっと、『イシュタム』になれるって。珍しく、明るかったよ」
女の子が、笑顔で言った。
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