虹の街

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 その地方都市は、数十年後に人口が大幅に減少し、自治体としての存続が不可能になる可能性が高い市町村のリストに載っていた。  つまり市そのものが、このままでは消滅してしまいかねないという事で、市役所に急遽「人口減少対策課」が設置された。  対策を話し合うための有識者会議では、当初年配者ばかりを集めたため、なんら有効な方法が見いだせなかった。  ある識者は「我が市は東京のベッドタウンなんだから、そんな事にはならんだろう。何かの間違いだろ、その予測は」、と言い放って市長を唖然とさせた。  そこで東京から地域再生コンサルタントを招き、解決策を講じてもらう事になった。  市役所のアドバイザーとして常駐する事になった、七三分けの髪型に眼鏡をかけた、いかにも一流大学出のインテリ風の30代の若いコンサルタントの言葉を聞いて、でっぷりした体形、額が禿げ上がった典型的な中年の市長は、思わず声を荒げた。
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