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「わたしは、陸を愛してる」
凛とした友香の言葉が鼓膜に響いた。
この言葉に、何か意図があるのだろうか。
そんなことを心の片隅で感じながら、友香を見詰め返す。
「俺も、友香を愛してる」
心からの言葉を吐き出すと、何故だか救われたような気持ちになった。
「本当に、わたしのことを?」
「ああ。友香を愛してる」
たとえ記憶が戻ったとしても、俺のこの気持ちは変わらないだろう。
震える身体を抱き締め、そっと友香の唇にキスを落す。
二人きりの病室で、それは永遠の誓いのようなキスだった。
【END】
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