第12話

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   「わたしは、陸を愛してる」 凛とした友香の言葉が鼓膜に響いた。 この言葉に、何か意図があるのだろうか。 そんなことを心の片隅で感じながら、友香を見詰め返す。 「俺も、友香を愛してる」 心からの言葉を吐き出すと、何故だか救われたような気持ちになった。 「本当に、わたしのことを?」 「ああ。友香を愛してる」 たとえ記憶が戻ったとしても、俺のこの気持ちは変わらないだろう。 震える身体を抱き締め、そっと友香の唇にキスを落す。 二人きりの病室で、それは永遠の誓いのようなキスだった。 【END】
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