第12話
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「この部屋で何をしてるのっ」 宥めようにも、彩夏は興奮状態で聞く耳を持たない。 「彩夏、落ち着いて」 「いや、離して」 久保の手を振り解く彩夏。 もがきながらバッグから何かを取り出すと、ギロリと俺を睨んだ。 「やっぱり、嘘だったのね」 「……っ」 驚くほど低い声と青ざめた表情に怯んだ瞬間、 彩夏は俺を押し退けて、部屋の中へと入っていった。
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