第12話

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   あとはスローモーションだった。 久保が彩夏を止めようと手を伸ばすと、鈍く光るものが空間を切り裂いた。 呻き声と共に、鮮血が飛び散って、久保が蹲る。 「ユルサナイ」 地を這うような低い声だった。 ゆらりと立ち尽くす彩夏が何を見ているのか、俺にはもうわからない。 視界の先に、呆然と立ち尽くす友香が映ると 「彩夏、よせっ」 ナイフを振りかざす彩夏から、友香を守ることしか考えられなかった。
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