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夢中で友香を突き飛ばし、そのナイフを背中で受け止めた。
「ぐっ」
鈍い衝撃のあと、その場に崩れ落ちていた。
俺の身体からドクドクと血液が流れていく。
不思議と痛みは無かった。
ただ呼吸が苦しくて、言葉を発することが出来ない。
ぼんやりした意識の中、彩夏の狂ったような悲鳴が聞こえた。
そんなに泣き叫ぶなよ。
まるで俺が死んでしまうみたいじゃないか。
久保が必死に宥めているけれど、彩夏の悲鳴は止まらない。
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