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ワタシはまだ夢を見ている。
廻る廻る廻る廻る、廻る廻る、廻る廻る、廻る廻る廻る廻る廻る廻る。それは、ただひたすらに、廻る夢。ワタシが廻っている夢。
暗黒、奈落、漆黒。何も見えない。それ以外の景色なんてあるはずもなくて、ただの暗黒が広がっているだけ。目を開いて、視力もあって、それでも、何も見えない。何も存在していない。
それがワタシの世界、ワタシの日常。
加速度的に感覚が停止していく。認識は次々と錯綜していく。
悪寒がして、それでも、廻転を続けるワタシには、その不快感をどうしようも出来ない。
何十倍にもなった重力に押し潰されているみたいに息苦しくて、でも、それなのに、ふわふわ落ち着かない。この感覚は、大キライだ。
それはまるで、浮遊。
クラクラ酩酊。
ワタシはきっと、欠落している。堕落している。墜落している。
不時着の気配は無くて。ワタシはそれでも構わないんだけどね。
嘔吐と虚脱感。ワタシが風邪なんてひくはずないのに、ワタシが自分の存在を認識した瞬間から、この不快感がまとわり付いて離れない。気持ち悪くて仕方ない。
でも、ワタシがいつから存在していたか、なんて知らない。知ったこっちゃない。どうでもいい。5分前の刹那からかな、あ、もしかしたら、宇宙が始まった時からなのかもね。
絶賛急降下中のワタシはきっと、逆さまで宙吊りにされた挙げ句に水の中に突っ込まれたみたいに。
圧迫と浮遊。
そんな相反する不快感が息苦しくて、ワタシは無感覚に感覚を向ける、そう、下に、下に、下に、ひたすら下に。落ちていく方向に。
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