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廻る廻る廻る廻る、廻る、廻る廻る廻る廻る、廻る、廻る、廻る。この感覚が拭われる日がいつか来るのを、期待しないで待っている。
五感が、無感へと互換されていく。
声も出ない、聴覚を無くしたのか、それとも、この闇の世界には……、ああ、そっか、音も風もない、それってつまり、真空。この世界には、何も存在してない、って事。
音は振動しないんだ。ワタシの心臓の鼓動すら聞こえない。
舌を出したって、もちろん味なんてするはずないじゃん、バカみたい。
匂いを嗅いだって、嘔吐に苛まれるワタシには、何も分かんないし。
……ああ、こんな悪夢なら早く醒めてよ、とも思わないままで。あ、いやいや、そんなことなんて思ったこともないし。ワタシはいつまでも覚醒できない。
だって、ワタシは夢を見ているんだもん。夢の中で夢は見ない。ワタシは明晰夢を見ない。
身体が、思考が浸食されていく。
そして、ワタシがこの無間地獄に堕ちてからほとんど時間が経っていないのだと、唐突に気付いちゃった。
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