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ああ、もう。
こんな時にいないなんて。
といっても、先ほど男性陣と仕事の話をしているときの真剣な表情を見たりすると、警戒しすぎて邪見にするのも少々大人げない気がした。
今ももしかしたら一人になった私に気を使ったのかもしれない。
チャラくて女にだらしなさそうな一面は、私が相手にしなければいいだけの話なのだ。
「そう? じゃあ無理して飲まなくていいよ、ジュースかお茶でも頼む?」
「あ……そうですね。オレンジジュースでも飲もうかな」
笑って頷くと、吉川さんはすぐ傍の引き戸を開けて、せわしなく店内を行き交う店員の一人にオレンジジュースをオーダーしてくれた。
「はるひちゃんがこういう場所にくると思わなかったからびっくりしたよ」
「美佳に誘われて。亨も、行ってもいいって言ってくれたし」
念のため、今でもちゃんと亨と仲が良いということを主張しておこうと思ってそう言ったのだけど。
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