酷いのは、誰。

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「いや、気強い方が好きなのは確かだけど……それはお前の勘違い……つか、ちょっと鼻拭け。酷い顔になってんぞ」 言いながら亨が私の顔におしぼりを押し付けて、ごしごしと拭きはじめた。 「やめてよ、お化粧剥げる」 「もう剥げてる」 文句だけは言うけれど、なんかもう顔なんかどうでもよくなって、拭かれるがままの状態だ。 きっと今のでマスカラも落ちて、目の下とかいろんなとこに黒く広がってる気がする。 「もういいって……それより勘違いって?」 「いくら別れたっても、あんな腹黒になられちゃ心配はする。それをお前が勘違いしただけ」 「……もしかして亨のせい?」 「まあ……そこはいいだろ」 「はぐらかした……亨のせいなんだ」 どーせ亨がフラフラ遊んでたとか、そんなんなんだ、きっと。
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