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それはもしかしたら、二人が別れた理由なのかもしれない。
「他には?」
亨はその件には答えるつもりはないようだけど……まだ質問タイムは続行しているらしい。
顔を上げると困ったような苦笑いを浮かべていて、まるで癇癪を起した子供を宥めているような表情だ。
むっとして、私は今まで気になってたこと、思いついた端から口にした。
「合コンとか行くの?」
「昔は良く行ったな。今は全然」
「ほんとに?」
「ほんと」
「あ、浴室のシャンプー! あれ絶対女物だよね」
「あぁ、あれ姉ちゃんの」
「はぁ?! うそっ……」
これには、亨も狼狽えるだろうと思ったのに、狼狽えたのは私の方だった。
あんなに悩まされたシャンプーの持ち主が、まさかのお姉さんで。
「嘘じゃねーよ、あいつ時々来るからさ。今から電話して聞くか?」
そう言って携帯電話を取り出そうとした。
私は慌てて、首を振ってそれを止める。
「い、いい! そこまでしなくていい!」
亨の彼女が、酷いヤキモチ妬きだって思われたら恥ずかしい!
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