酷いのは、誰。

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亨と電話で話してから、ショッピングモールをだらだらと歩いて暇を潰して、途中で入ったカフェで昼食を取った。 そうしていると、さほど苦にもならないうちに時間は過ぎる。 会議の終わった秋生さんを迎えに行くと、買い物してから帰りたいとのことだったので駅の近くの百貨店に寄った。 お孫さんの結婚式に合わせて、コートを新調したい、と嬉しそうに頬を綻ばせていた。 「あれに頼もうと思ったんだけどなぁ。デパートまで買いに行くには膝が痛いし、服のことなんかわからないから春妃ちゃんに頼んでくれって言うもんだから」 あれ、とは奥さんのことだ。 もう高齢ということもあり、見えないこと以外にも色々と不自由な部分は出てきていた。 こんな風に頼ってもらえると、ボランティアをしてきて良かったと私も嬉しくなる。だから、続けられる。 無事に買い物を済ませて秋生さんを自宅まで送り、再び電車に乗った時にはもう五時を過ぎていた。 ドアに凭れていると、規則的な電車の音に合わせて振動も伝わってくる。 窓の外は、もう雪は止んでいた。
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