epilogue

11/18
前へ
/20ページ
次へ
上手い言葉が咄嗟に出なくて、随分ストレートな言い方をしてしまったけれど。 それがおかしかったのか、先輩は苦笑いをした。 「それっていつの話?」 「あの時です。私が亨と誰かを二股かけてるとか、先輩が早とちりしてあちこち言いふらした時」 「ああ。ちょうどボロが出始めた時だわ」 「ぶっ」 ボロって自分でいっちゃう先輩に、思わず吹き出してしまい、軽く睨まれて首を竦める。 こほん、と咳払いで誤魔化してから言った。 「でも、それよりも前から知ってたみたいな、言い方だった気がするんです。矢野さん、ずっとわかってて、先輩と付き合うことを決めたんじゃないかなって。あの日私は、そう思いましたけど」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1521人が本棚に入れています
本棚に追加