epilogue

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先輩は何か思い当たる節でもあるのか、それとも信じられないのか、わからないけれど口元に軽く拳を当て、何かを考えているようで……私は更に、続けて言った。 「その、性格のことだとか……理由だとか。抱えているもの全部、吐き出してみたらどうですか? 矢野さんに。どうせ、距離を置かれたままならダメで元々だし……」 着替えを終えて、私もロッカーをパタンと閉じた。 足元に置いていたバッグを手に先輩に近づくと、追い越し間際に立ち止まる。 「亨が腹割って話せって言ったの、多分そういうことじゃないかなって」 そして矢野さんは、先輩の性格をわかってて距離を置いてるのなら……もしかしたら先輩から話すのを待っているんじゃないかって、そんな気がした。
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