epilogue

16/18
前へ
/20ページ
次へ
「何がやっぱり?」 「ううん、早く仲直りすればいいいのにって思っただけ。ねぇ、ご飯何食べる? 私お鍋がいい」 「鍋……そういや、置き去りにされて店で一人で食わされたなー……」 「ごめんってば」 吐く息が白く上る。 何気なく辿って見上げた空は、街の明かりで星はほとんど見えないけれど。 空気が澄んでいるのだろうか、白い月が澱みなく光を放ちながら浮かんでいる。 「飯食ったら……今日は春妃んち、行く?」 「えっ? いいけどなんで?」 「お前んち入ったことないから」 確かに、いつも亨の家だし、明日も仕事だから会社に近い私の家の方が便利ではあるけれど。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1521人が本棚に入れています
本棚に追加