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毎回、それほどしつこくされるわけじゃない。
ただ、何度でもやってくる。
「お仕事暇なんですか」
「そうそう。暇だからちょっとはおしゃべりに混ぜてくれないかな」
「私達はもうすぐ仕事に戻ります。カップ片付けますね」
まだ飲みかけだろうけれど、手を出してカップの返却を要求した。
芹沢さんは肩を竦めて、カップを私の手のひらに乗せる。
目が合うと、眉尻を下げて困ったような表情をした。
「亨にも散々クギを刺されたし、何度誘っても君は靡いてくれそうもないし。もう諦めたから普通に接してくれないかな」
「普通です。それに、諦めたって言うならなんで来るんですか」
困惑するのは、こちらの方だ。
私の方が困らせてるみたいに言わないで欲しい。
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