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「こないだ別れたとこなんですよ」
「そうなんだ、残念」
「はあ?」
意味の解らない会話に美佳が首を傾げる。
どうやら、彼氏がいる女にしか興味がないというのは本当のことらしい。
私は二人の会話を邪魔するように、美佳の手からもカップを取り上げて、言った。
「美佳、もう休憩終わり」
カップを三つ持って二人に背を向けると、流し台にカップを置く。
苛立ち紛れに蛇口を捻ると、思いのほか勢いよく出た水がカップに当たって跳ね、制服まで濡れてしまった。
「あー……やっちゃった」
「何やってんのよ、もう」
呆れたような美佳の声がしたから、後ろに感じた気配はてっきり美佳のものだと思ってた。
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