1189人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
マンションを出てすぐの場所でタクシーを拾い、近くの駅ではなく新幹線の駅を目的地に告げる。
途中渋滞などがあっても、乗り換えなどのことを考えればタクシーで直行した方が早いはずだ。
それに、車中で少しやりたいこともあった。
「すみません、運転手さん。少し電話します」
運転手さんに断って、携帯電話を操作する。
また公衆電話から着信が入った表示が出ていたけど、今はそれもどうでもいい。
発信先は、勿論亨の携帯だ。
『もしもし? しつこいんだけど』
「亨、まだそこにますか? 代わってください」
異様なテンションのおかげか、今度は怯まずに口火を切った。
最初のコメントを投稿しよう!