裏側の悪意-2-2

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マンションを出てすぐの場所でタクシーを拾い、近くの駅ではなく新幹線の駅を目的地に告げる。 途中渋滞などがあっても、乗り換えなどのことを考えればタクシーで直行した方が早いはずだ。 それに、車中で少しやりたいこともあった。 「すみません、運転手さん。少し電話します」 運転手さんに断って、携帯電話を操作する。 また公衆電話から着信が入った表示が出ていたけど、今はそれもどうでもいい。 発信先は、勿論亨の携帯だ。 『もしもし? しつこいんだけど』 「亨、まだそこにますか? 代わってください」 異様なテンションのおかげか、今度は怯まずに口火を切った。
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