裏側の悪意-2-2

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『寝てるって言ってるじゃない』 「起こしてください」 『はぁ?』 断られることはわかっていたから用意していた言葉を間髪入れずに言い返すと、電話の向こうで狼狽えたような気配を感じた。 『つ……疲れて倒れてる人によく言えるわね!あんたが無茶させたんじゃ』 「じゃあ迎えに行きます」 『なっ……』 「自分の彼氏を迎えに行くんです。誰に文句言われる筋合いないですよね」 あ。 新幹線代、足りるかな。 とりあえず片道分あればあとのことは後で考えよう。
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