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『あ……』
彼女は電話の向こうで絶句していた。
良く考えれば、私は彼女に対し何も引け目を感じる必要はないのだ。
彼女に嫌われたところで、部署も違うし私になんの影響もない。
そして、亨の彼女は私だ。
開き直った私はどこまでも強気になれた。
「それじゃ、すぐに行きますので。よろしくお願いします」
数秒待っても、言葉が返ってくる様子もない。
まあいいか、と切ろうとしたらその瀬戸際で声が届いた。
『あ……あんたなんか。馬鹿みたいに笑って立ってるしかない、受付のくせに!』
常日頃受付がどれだけ馬鹿にされてるか、よくわかる一言だった。
『なんの価値もないじゃない!せめて煩わせないようにくらい、気遣ったらどうなのよ!』
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