もうひとつの決着

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しかも、紹介していきなり一緒に住みたいなんて お父さんもお母さんも、どんな顔するだろうかと想像するだけで気まずい。 だけど。 「よし、大丈夫。殴られてもちゃんと許可もらう。よし」 まるで自分に言い聞かせるような、亨の言い方に思わず心が和んだ。 そんな私に気が付いたのか、亨が悔しそうに私を見下ろす。 「お前、余裕だな」 「余裕じゃないよ、私だって緊張してるけど」 私の家族に会うのに、そんなに緊張してくれるってことが、とてもくすぐったい。 だって、それって。 私とのことを、それだけ大事に思ってくれてるって証拠だと思うから。
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