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ふと目が覚めると、携帯のアラーム音が鳴っていた。
隣からいつもの体温が私を温めていて、しっとりと肌が汗ばんでいた。
「亨、起きて。お腹すいた」
「んー……」
掠れた声で返事はあったけど、まだ起きてくれる気配はない。
そうなると、私もこの心地よさに身を委ねたくなるけれど、今日は同行支援のボランティアがあるからそんなわけにもいかない。
頬に手を伸ばして、手のひらで擦るとうっすら髭の気配を指に感じた。
「起きてってば」
「……もう、ちょい」
一緒に住み始めて、ひと月。
相変わらず亨の寝起きは悪い。
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