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「お父さん、まさかあんなあっさり許してくれると思わなかったね」
帰りの車の中でそう言うと、亨はちらりと私に目を走らせて、肩を竦めた。
「お前の親父さん、賢いな。下手に反対するより、互いの家族に紹介させて家族ぐるみの付き合いにして、責任感持たせようとしてんだよ」
「あ……そういう意味なんだ……」
「そ」
急に同棲が重たい話になってしまったんじゃないかと心配になって、亨の横顔を見つめる。
だけど亨はなんでもないことのように、逆にご機嫌の様子で。
「これで将来の許可ももらったからな。もう逃げられねえな」
そう言って、赤信号で停車した隙に首を引き寄せてキスをした。
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