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ベッドの中で思い出しているとつい頬が緩んだ。
頭上では、相変わらず気持ちよさそうな寝息が聞こえてきて、目の前には喉仏があり時々上下している。
少し下に視線を落とせば、鎖骨が見える。
そこに、口を開けてぱくりと噛みつき歯を立てた。
「お腹空いた。亨のへたくそなスクランブルエッグが食べたい」
自炊なんかまったくしてなかった亨の、日によって焦げたり固すぎたり、逆にどろどろ過ぎたりするスクランブルエッグが、今の私の毎朝の楽しみだ。
くっ、と喉が鳴って亨が笑ったような気配がした。
「わかった。お前食ってから作ってやる」
「えっ?」
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