第2話

第二章

　『抗拒』――神に抗う様を表現しています。この中に居る人物は、神の創造した人の在り方を拒否しています。周囲を巻き込みながらも神の理を拒絶する様子は、この作品を一目見れば御理解頂けるかと存じます。

　私は盲目で、展示物はガラスケースで囲われている為、展示物が如何様な物なのかは判りませんが、来客される皆様の感想を聞いて、さぞかし素晴らしい芸術品であることは容易に想像することが出来ました。そのような素晴らしい芸術の数々に囲まれる中で仕事をしている私は、とても幸せなことなのだと感じ、来客者を展示室へ案内することが誇らしくありました。
　その後、皆様を自慢の料理でもてなします。皆様は私の作った料理を大変褒めてくださいます。料理は私が唯一身につけた誇れるものです。ですので褒めていただくことがとても嬉しく、至高の一刻でした。
　私は歓談の間に居ることを許され、御主人様と来客の皆様の会話を聞くことが出来ました。それはとても新鮮で教養が身につく事でした。その場に居ることで、御主人様が私を雇うときに仰られていた知識と教養を身につけることが出来ました。大変有意義なもので、私は多くのことを学ぶことが出来ました。時には私を会話へ参加させていただける光栄な事もございました。私のような教養の無い者が参加することは憚られましたが、皆様は私を好意的に受け入れてくださり、恐縮した記憶がございます。時折、私の意見が大変参考になられる様子で、皆様は楽しそうに私の話を聞いてくださりました。

　　◆