少女と家族とコウ

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この大都会に、雨が降り続けている。 もう一週間は降っているだろう… ある公園のベンチに、一人の少女が座った。 その少女は、こんな雨の中、傘もささずベンチに座り込んでいるではないか…。 少女の名前は未来。 未来と書いて、ミク。 未来には、ツライ過去があった... ―あれはそう、未来が高校1年の時。 未来の家は、他の人より何十倍もデカい家。 父はIT会社の社長、母は大物女優、兄は人気モデル。 誰もが羨ましがる家庭に産まれた、ごく普通の女の子。 けど未来は、そんな家族が大嫌いだった。 帰ってもメイドさんしかいない、誕生日だって家族は仕事で誰も祝ってはくれなかった。 未来はそれがツラくなり、雨が土砂降りにも関わらず、家から出ていった。 15歳(高1)だった未来には、お金がなかった。 だけど、大切な人がいた。 当時付き合っていた彼氏のコウ。 コウと初めて出逢ったのは、13歳のとき。 上級生に虐められていた未来を、コウが助けたのがきっかけで、2人は付き合いだした。 コウは高校には行かず仕事をし、未来と同棲するため貯金をしていた。 やっとその貯金が使われようとしている。
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